ヤンデレ彼氏に監禁されて
極寒の地にいるかのように、体を震わせ、歯を鳴らし眠れなかった


一人で怖さに浸っていたが、全部が幻想のものだ


いない、彼の姿


玄関前にいるような、外から見られているような


そんな無いもので、こうも怖がっていた


それが、ついぞ

『本物』になったことはない


どれもが気のせいにして、それが意味するのは『彼が会いに来ない』ということ


安心感が芽生えたのは、五日目で、次の週には大学にも出れる


びくびくと周りを気にしたが、怖いというそれさえも『思い出』になった


来ないんだ
一ヶ月、二ヶ月


私の周りを監視していた警察も、目星を別のものにしてしまうほど

彼が来ることはなかった


< 33 / 270 >

この作品をシェア

pagetop