ヤンデレ彼氏に監禁されて
もう、彼は来ないんだ


そう思ってしまうのは至極当たり前なこと


緊張の糸が途切れて、またまともに成りつつあった


良かったと、安心することさえも忘れてしまうほど


日常とは、そんなものだ


平穏こそが普通だから、安心感は呼吸と同じように意識しない


忘れる恐怖
意識しない安心


毎日を、そんな平穏で過ごしていた



――考えが浅い私の甘い思考がそれで


私は、栂句琉希という人さえも浅く見ていた


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