砂漠の王と拾われ花嫁
「リセ、夜のオアシスは安全とは言えない それは身をもって分かっているだろう?」


半年前に遠乗りに出て帰れなくなった莉世はなんとか見つけたオアシスで一晩明かした。


そして蛇に足をかまれてしまったのだ。


傍にいた護衛も助けられないほどあっという間の出来事だった。


幸い毒の強くない蛇だったので明け方見つけられた莉世は助かった。


帰ってこない莉世にラシッドは気が狂うほど心配した。


危険な夜の砂漠にも自ら捜索に出た。



「でも・・・」


遠乗りも魅力だったが少しでもラシッドと一緒にいたい気持ちの方が強かった。


「また今度にしよう 帰れなくても心配をしないように」


ラシッドは莉世の頬に軽く指を触れてからアーメッドに頷いた。



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