男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



「どうする? 私……あんなに反対されるなんて思わなかった。」


リュウジに非がある事については、小さい頃おたふくもやってるし、抗がん剤のせいもあるかもしれないし、ごめんねと言ってもらったものの……


そういう問題ではない。


リュウジのお義母さんはは子供が嫌いなんだと言う。


じゃあなんでリュウジを産んだんだよっ!!と思わず言いたくなる。


もちろん……長い電話の最中それだって聞いた。


「産んで育てるって本当に大変なの……だから」


それは答えじゃない。


世の中の人間みんな子供を産んで育てて幸せそうにしてる。


それを、自分が辛い幼少時代を送って、育児も大変だったからって……。


押し付けないでよ。


これは私たちの問題なのに……。


「あのさ……別にOKしてもらわなくても大丈夫じゃないの?」


そんなリュウジの言葉に折れてしまいたくなる。


そりゃ……確かにそうなんだけど。


でも、身の上はしっかり審査されるらしいし、もし嘘がバレたら!?


それは善意で行っている会の人を傷つける事になる上に……引き取られる子供の事を考えても愛してくれる祖父母に囲まれた家のほうがきっといいだろう。


そう考えると私にはとても強行できない。


リュウジと二人深いため息をつく。


諦めるしか……ないのかな?



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