戦国遊戯
脱衣所で、信玄の侍女に借りた小袖を着る。出ると、ちょうど、幸村が前を通りかった。

「あ、幸村さん」

「玲子・・・」

幸村が一瞬止まった。

「幸村さん?」

「あぁ、すまいない。こっちだ。風呂はどうだった」

「すっごい気持ちよかった!おっきなお風呂だったよー」

頭を手ぬぐいでふきながら答えた。なんだか、温泉にでもきたような感覚だ。

「そ、そうか。それはよかった」

「幸村さんもお風呂入ればいいのに。汗かいて、気持ち悪くない?」

「いや、軽く、水浴びをしたから大丈夫だ」

そう言って、こっちだ、と、部屋へ案内してくれた。


「おぉ、きたか」

部屋には信玄がいて、その前には、たくさんの食事が並んでいた。

「わぁ・・・すっごい・・・」

時代劇で、悪代官たちが、密会したりしたときの食事になんかが、確かこんな感じじゃなかっただろうか。少しそう思うと笑えてきた。

「ほら、座れ座れ。幸村、お主もだ」

信玄に言われて、私は座った。幸村は、少し戸惑った様子で座った。

「ほれ、さぁ、飲め飲め」

信玄は杯を渡し、液体をついできた。

「あの・・・これってもしかして」

くん、っと匂いをかいでみる。案の定、くらっときた。お酒だ。

「幸村、お主もさぁ」

そう言われて、幸村も自分でお酒をついだ。

「さぁ、今日は祝いの席じゃ。どんどん飲めよ!」


・・・人生初の、お酒は、正直気持ち悪かった。なんだかくらくらして、頭がぼーっとした。
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