Magic Academy ～禁書に愛された少女～
「ふいー、疲れたー」

部屋に戻ると、そのままリビングのソファにぼふっと倒れこんだ。

「おい、風呂に入らなくてもいいのか？」

シークが声をかけてくる。

「入るー」

口ではそういいながらも、体が動かなかった。
というよりも、朝から緊張の連続で、体がぐったりとしていて、うまく動かせなかった。

「おい、そのまま横になってると寝るぞ？」

シークに言われて、うーん、と何とか起き上がる。窓から月明かりが差し込んできていた。

「綺麗な月だねー」

そらが呟くと、シークはふっと笑った。

「そうだな。月の光りには強力な魔力が宿っているという噂もあるぞ」

「へー、そうなんだ」

そらは呟くと、シークをそっと、月明かりの下へと持っていった。

「な、なんだ？」

シークが驚いて聞くと、そらはくすくすと笑って答えた。

「だって、シークのいた場所、月の光なんて届かない場所だったじゃん。だから、月光浴？」

そう言って、ベランダに出て、置かれてあった椅子に座り、ひざの上にシークを置いた。表紙を丁寧に撫でながら、月を見つめた。

「久々のシャバの空気はどうですか？シークさん」

笑いながら聞くと、シークは苦笑しながら答えた。

「悪くは無い、な」

2人でしばらくの間、月光浴を楽しんだ。
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