Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「俺は、そらが思っていたような人物で、ほんとによかったと思ってる」

シークに言われて、思わず照れるそら。

「そらになにかあっても、俺が守ってやるよ」

「魔法書のくせに。かっこつけちゃって」

くすくすと笑うそらに、シークは表紙をばたつかせた。

「バカにしてんじゃねーよ。俺は本気で」

「はいはい」

少し頬を赤らめながら笑うそら。シークはため息をつく。そんなシークをそっと持ち上げて、表紙を撫でた。

「ありがとう、シーク」

シークからの返事は無かった。

「そういえばさ、シークって何が書いてあるの?」

言ってシークを開くと、中には何も書かれていなかった。

「…真っ白じゃん」

ぺらぺらとページをめくっていくが、文字も、記号も、絵も。なんの記載も無かった。

「俺は、意思を持った魔法書だからな」

「…ふーん?」

くすっとそらは笑うと、シークを閉じた。

「明日の七不思議探検。行くのか?」

シークに聞かれて、困ったように答える。

「そりゃね。あの3人が行くって言ってるんだもん。行かなきゃ」

苦笑いを浮かべると、シークは真剣な声で言った。

「俺も必ず連れて行け。いいな?」

「え?いいけど。ってか、連れてくつもりだったけど。なんで?」

そらに聞き返されるが、シークからの返事は無かった。

「変なシーク」

そういうと、そらはシークを持って、部屋の中へと戻り、床についた。
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