Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「それじゃ、早速!行ってみよー!」

『オー!』

アッシュの掛け声に3人は続いた。


最初に検証する七不思議は、薬草を育てている温室の不思議だ。

寝る間を惜しんでアッシュが調べてくれた情報によれば、七不思議の中でも、決められた時間にしか確認できない七不思議と、そうでない七不思議があるらしい。その中でも、比較的、目撃情報の多いものからということで、温室が選択された。

「アッシュってば、どうやってこんなこと調べるの?」

不思議そうにそらが聞くと、笑って答えた。

「え?一般寮に行って、友達に教えてもらったの。結構そういう俗っぽい噂って、あちこち広まってるみたいよ?」

けらけらと笑いながら答えるアッシュに、そらは感心したように頷いた。

噂になっている温室は、校庭の端っこに設置されている、少し小さめの建物だ。ここでは主に、古くから伝わる薬草が栽培されていると言われている。

「失礼しまーす」

アッシュが先陣切って中に入る。思っていたよりは、さわやかな雰囲気の温室だ。

「ここがほんとに七不思議の中のひとつなのか?」

うみが続いて中に入った。

「これは…マンドレイクか?」

栽培されている薬草を見ながら、ドルイドが言う。

「意外と広いね」

そらが中に入る。すると、地面がぼこぼこっと揺れた。驚いてバランスを崩し、思わずしりもちをついてしまう。

「うわぁ!…たぁー」

お尻をさすりながら、地面を見る。が、さっきの感覚がまるで嘘のように、特に、地面がおかしくなっているということはなかった。
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