Magic Academy ~禁書に愛された少女~
校舎の最上階にある音楽室。音楽室までの、長い廊下を歩いていると、パシャンと、水のはねるような音が聞こえた。
そらがふっと、窓から外を見ると、プールが見えた。

「あ、ここからプールって見えるんだ」

そらの言葉に、3人は窓から外を見た。

「ほんとだ。これだけ近いんだし、次はプールね」

アッシュが言ったそのときだった。

「…………」

4人は顔を見合わせた。

「なんか聞こえるよね?」

アッシュの言葉に、そらが無言で頷いた。

「声、音楽室の方からじゃね?」

うみの言葉に、ドルイドがごくりと唾を飲み込んだ。

「こ、こんな夜に、誰だろうね」

明かりのついていない音楽室。それだけで十分恐怖感を煽られる。

「い、行ってみよっか」

アッシュが一歩を踏み出す。3人もそれに続いた。

音楽室に近づくにつれ、だんだんと声がはっきりと聞こえてくるようになった。
音楽室の入り口の前。4人は顔を見合わせ、一気に扉を開けた。


ガラガラ!というドアの開く音と共に、歌声が途切れた。そぉっと教室の中に入ってみるが、誰もいない。

「今の声って…本物のお化け!?」

アッシュの言葉と共に、アッシュ、うみ、ドルイドは教室からシュン!と姿を消した。

「え、ちょっと!?私残して3人だけテレポで逃げるとか、ひどい!」

そらはへなへなっと、その場に座り込んだ。
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