狐面の主人


キーンとして、思わず炎尾は耳を塞いだ。



「だ、だめ、駄目ですッ!!

いくら主様の命令と言っても、こればかりはお許し下さいぃぃッッ!!」


その場に素早く土下座をする五穂。


この方は言葉の意味を分かっているのだろうか。

いや、それよりも、今までの話は全て嘘だったのだろうか。



前の主人も酷かったが、ここまでハッキリと要求して来たのは、この男が初めてだ。


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