流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「もちろん最初はみんな半信半疑でした。ですが…」

ぎゅっと拳を握りしめ、正弘は続けた。

「本当に、過去に行くことができたんです」

玲子は目を見開いた。

「全ての人間が過去に行くことができるわけじゃないみたいで、もちろん、行くことができない者もいました。実際に行くことができたのは、ほんの一握りの者だけでした。けど、確かに過去に行くことができた。タイムトラベルが可能になったんです」

「そんなこと、ありえない!」

玲子が叫ぶと、正弘はびっくりした顔をした。顔は青ざめ、困惑の表情を浮かべていた。

「玲子」

落ち着け、と幸村が玲子の肩をさすった。

「そうだろうね、そう思うのが普通だ。だけど、事実なんだ」

辺りをキョロキョロと見回しながら、正弘は言った。
冷たい秋の風が、玲子の頬をさぁっと撫でていった。虫の鳴く音が、かすかに聞こえてくる。

辺りは薄暗くなり、陽もだいぶ落ちてきた。
信じられないことを聞かされたショック。
今だに娘を見つけられない不安。

いろんな事が、玲子の頭の中をぐるぐると回っていた。
そんな玲子に、正弘はあることを伝えた。


「…織田信長に、会ったんだ」


一瞬、目の前がぐらりと揺れ、真っ暗になった気がした。
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