蝶々結び
「七星〜!こっち!」


ファミレスに着いて中に入ると、優子が手を振りながらあたしを呼んだ。


「何事かと思ったじゃない……」


あたしが呆れながら言うと、彼女は肩を竦(スク)めて笑った。


「ごめんね……」


「はい、これね。ちゃんと終わりそう?」


「うんっ♪後はこれだけだからね!ソッコーで写すから、ちょっと待ってて!」


優子はそう言って、英語の問題集を写し始めた。


あたしは呆れながらも、他の教科は自力で済ませた彼女の事を心の中で褒めた。


優子は勉強が苦手で、成績もいつも下の方だ。


だけど、ちゃんと努力をしていて、それは本当に偉いと思う。


結局、優子に散々待たされて、あたしの連休の最終日は呆気なく終わってしまった。


それでも連休の初日に上杉先生と会えた事で、すごく満足していた。


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