蝶々結び
春――。


それは、それぞれの新しい道に歩み出す季節。


別にこれと言って新しい道が無くても、春と言う季節には色々な変化が訪れる。


それがどんなに小さな事だったとしても、その人の人生にとっては良くも悪くも一つの変化だ。


そして、これからあたしの前に現れる男性(ヒト)が、この先の自分の人生を大きく左右するなんて…


微塵も考えていなかった。


現在高校二年生のあたしの名前は、須藤七星(スドウナナセ)。


周りからは“優等生”なんて言われていて、一年の後期からは生徒会の副会長をしている。


自分から望んだ訳じゃないけど、気が付けばこんな事になっていた。


あたしの通う高校は、地元では有名な進学校だったりする。


ただ…


あたしがこの学校を選んだのは、単純に『家から近いから』だけど…。


< 4 / 494 >

この作品をシェア

pagetop