私の秘密の旦那様

秋本家

…そう。私の家は代々続く茶道の家元。

だから昔から私も茶道を習い、ひと通りは心得ている。

だから、上手く出来るのは当たり前。

そう………。
当たり前の事。

   もし…
私が茶道が出来なかったらただのお嬢様だ。

それに…ほんの数年やり始めたばかりの方に負けていては…

元跡取りとして名を恥みやって来たかいがないと思う。


私は…
いくら家元の娘だから
って昔から様を付けられるのは
どうしても嫌いだった。


だから本当は家を出るのは夢みたいなものだった………。


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