〜花魁〜
chapter.5



うやむやだった花との関係が[恋人]に変わった日から、早1ヶ月…

俺の中に芽生えた僅かな変化に、一番に気付いたのは

他でもなく[大和]で…








『花〜?明日の夜、時間ある?』


俺の肩にもたれかかりながら、テレビを見ている花に向かって口を開いた。



「うん!光、明日バイト休みなん?」


『休み!明日さ〜地元行って人と会う約束してるんやけど…、一緒に来る?』


「行く!!友達?」


『そう。仕事終わったら電話するから、駅で待ってて!!』


「分かった♪」



花の陽気な返事と裏腹に、俺の気分は下がり気味…。









[バイト休みの日に時間作れ!!何の事か分かってるやろ〜?楽しみにしてっから!あっ、1人で来るなよ?じゃ、またなー。]



ちょうど一週間前、昼休みの時間帯を狙っていたかの様に、突如鳴り響いた俺の携帯――。



相手は[大和]



いつも通り普通に電話を出た瞬間に言われたのが、さっきの言葉。



花の事?しかないよなー…。



どうせ「彼女できたん?」とか、そう言う話やろ――。

てか、それしか思い当たらない。







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