Symphony V
唯の言葉を聞いて、村儀は難しい顔をする。

「おい、鑑識!」

側にいた鑑識員を呼びつける。

「はい、なんでしょうか」

村儀の表情から、鑑識員も少し神妙な面持ちになる。

「さっきの遺体だが、至急、DNA鑑定を頼みたい」

「身元確認が取れているのに、DNA鑑定…ですか?」

首を傾げる鑑識員に、村儀は頷いた。

「そうだ。本人ではない可能性が出てきた」

「え?」

「おい、東峰。何でもいい。お前の両親の歯ブラシ・櫛、DNA鑑定に使えそうなものを適当に見繕ってこい。それと、お前のDNAも何かあった時のために採取させてもらう」

言われて唯は頷いた。

すぐに家の中から該当しそうなものをかき集めてくる。それらを全て村儀に渡した。

「あと、これ」

3つの手形が押された画用紙も渡す。

「なるほど…それも確認しておくべきだな」

村儀は唯が渡したものが何なのか理解したようで、頷くと、それも鑑識に渡した。

「結果が出るまで少し時間がかかる。わかり次第、必ず連絡を入れる」

唯は頭を下げた。

「よろしくお願いします」

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