キミは許婚
あたしが腹を立てていると、あたしたちの様子を見ていた母が口を開いた。
「明? そんなに怒らなくてもいいじゃない? とりあえず遊ぶだけでも……ね?」
「う~……」
「お父さんの立場もあるし……あんな完璧な人と付き合えることなかなかないわよ~?」
「……お母さん……わかってないよ……」
外面は完璧だけど、素はやりたい放題の人間なんだってば!!
「それにお母さん、あんなイケメンが息子だと嬉しいもの~」
お母さん、そこ!?
最後の言葉が一番気持ち入ってた気がする。
「もう! 誰もあたしの気持ちなんてわかんないんだから!!」
「明!」
父と母が止めるのを振り切り、あたしは家を飛び出した。