今よりもっと強くなれ!!~我が子が障害を持って生まれたら…~
それから私は無事に帝王切開を終えられて、病室に戻った。
まだ麻酔が効いていて痛みは無い。

点滴も今日から2日間ずっと。
点滴が全て終わるまで絶食だ。

少ししてから副院長がやってきた。
『あのねぇ時間がかかり過ぎたのは、子宮に胃と膀胱が癒着していたから、それを剥すのに時間がかかった。
剥す間は、子宮を切らず、ちゃんと安全な子宮の中に赤ちゃんいたから』

と言って来た。
初めて医者っぽく見えた。

癒着していたのは前回の帝王切開後に私が高熱を出した為に癒着が起こったとの事だった。

そして新しい命の誕生に主人達は喜んでくれた。
赤ちゃんの色が悪いと思った事は主人達も私に言っては来なかったのもあって私の気のせいだったんだと特別私も言わなかった。

それから3時間程して副院長が飛んできた。

『赤ちゃんの呼吸が普通じゃないから今、救急車が来るから大学病院に搬送するから!』

『ああぁ…やっぱりあの色の悪さは、普通じゃなかったんだ』

せっかく産まれて来てパパ、ママ、お兄ちゃんの顔も見ずに死んでしまうのか…。
まだ抱っこだって、
オッパイだってあげてない。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。

私は声をあげて

『助けて赤ちゃんを助けて!!
色が悪かったのを素人の私が分かって何故、医者が最初から気付かなかったのっ!!
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