斎宮物語

「かようなものがこんなところに…。」

お年寄の常磐様の部屋で確かめたら、それはたしかに毒だった。

「このこと、一切他言無用に願います。」

「はい。」

「それでは、そろそろ上様のお渡りのご所望がありましょう。
斎宮様はめざましきご寵愛ですからのう。
されど、決して上様にこのこと言ってはなりませぬ。」

「はい。
では、これにて御免つかまつります。」


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