KISS OF LIFE
彼女なんて、ウソにしか過ぎなかったんだ…。

あたしの目から、涙がこぼれた。

あたしはそのウソに踊らされて、浮かれていたんだ。

南野課長はウソに浮かれるあたしを見て、心の中で笑っていたかも知れない。

「何よ…。

あたし、すっごいバカじゃん…」

涙をぬぐいながら、あたしは自虐的になった。

あたし、騙されてたんだ。

南野課長は南野課長で、かわいい彼女がいたんじゃない。

あたしは、ペットも同然だったんだな。

その日、あたしはどこかの誰かのように泣きながら家に帰った。

あたしのご愁傷様。

帰り道の中、あたしは心の中で呟いた。
< 52 / 152 >

この作品をシェア

pagetop