【短】隣のお兄ちゃんと私
お兄ちゃんと気持ちが通じたことにより、私の生活は一変した。


全てがお兄ちゃん中心に生活が回るようになった。


そして、お兄ちゃんもまた就職までの時間をほとんど私との時間に費やしてくれていた。



一度、「無理はしないでね?」とお兄ちゃんに言ったことがあったけど、



「俺が一緒に居たいんだ」


なんて、他の人には決して見せないような笑顔でにっこり微笑まれれば、私はそれ以上何も言えなかった。


本当に大事にしてくれるお兄ちゃんのことが愛しく思えたし、今はこれまで共に過ごすことのできなかった時間を取り戻したかった。


ずっと好きな気持ちを捨て去ることのできなかった相手であるお兄ちゃんに対して不満なんてなかった。




ーあの出来事までは。

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