未来のない優しさ



「柚ちゃんの人生に、過労って言葉を作ったらだめってあれほど言ってるのに」

肩を落とし、わざと聞こえるような大きな溜息をつく女医さん…。

検査結果の数値を見て顔をしかめている。

事故後、リハビリとマスコミから逃げる為に熊本で二年間を過ごした時に知り合った先生。

外科的な治療が済んでも、傷だらけの内臓は一生注意が必要だと言った私の主治医。

同じく医師である旦那様の転勤先がたまたま私の実家の近くで、進路を決めかねていた私に

『一緒に帰るよ。
向こうの大学に入って、目一杯楽しみなさい』

とほぼ拉致状態で飛行機に乗せられて帰ってきた。
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