なんでも屋 神…第一幕
「そうか。秀太も頑張ってんだな…じゃあJ、これから宜しくな。」



右手に持っていた荷物を下ろし、Jと握手して俺と一葉は事務所に向かって歩き出した。



事務所に向かう前に、コーヒーを頼もうと[トレイン]のドアを開けた。


カウンターの中には、ソムリエのような格好をして、コーヒー豆を真剣な眼差しで厳選している、上品な白髭を生やした老人が居る。



「マスター、ブレンドとミックス野菜ジュース事務所に持ってきて。」



それだけ頼み、[トレイン]のドアを閉めてエレベーターに向かおうとした。



「あぁ神君、ちょっと待ってくれ。この人が神君に仕事を依頼したいようなんだよ。なんでも屋が閉まっていたからウチで待っていて貰ったんだ。」



この今回の依頼者が、俺を知らず知らずの内に、裏社会の揉め事に引き吊り込んで行く事になるのを未だ知らなかった…。
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