愛の雫
翌朝。


目を覚ますと、ベッドには早苗の姿が無かった。


布団から出たあたしは、ゆっくりと階段を降りてリビングに向かう。


それから、ドアノブに手を掛けたけど…


「何度言ったらわかるのよ!?週末はあの人が来るってわかってるでしょ!?」


中から聞こえて来た声に、思わずその手を引っ込めてしまった。


「ごめんなさい……」


「アンタのせいで、帰って貰ったんだからねっ!!」


早苗の母親の言葉を背中に受けながら、階段を駆け上がった。


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