花の魔女

そう気持ちを改めていると、フィオーレがナーベルの手をとり、ナーベルはフィオーレに視線を向けた。


フィオーレの顔には決意と、そしてやる気で満ち溢れていた。

ドレスの花が今までになく咲き誇っている。

それも大きな花ばかり。


「わたくし、決心しましたわ。早く花の魔法を完成させてしまいましょう。今のナーベル様になら、やり遂げられると思うのです」


そう言ってぎゅっと、ナーベルの手を握る手に力が入る。


フィオーレのドレスの花から溢れてくる生気たっぷりの花の香りがナーベルを包みこみ、ナーベルの心も高揚した。



花の魔法を完成させる。



それはラディアンを助けに行くことができる日が近くなるということ。


ラディアン奪還のための希望。



ナーベルは力強く頷いた。


「ええ。完成させて、みせるわ」




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