君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
「さぁ明さま行きましょう」
「え!?や、やめてください!」
運転手があたしの手首を掴んでくる。
そしてそのまま車に乗せようと背中を押してくる。
「ソンさん!ヤンさん!コイツを止めて!」
あたしの言葉に一瞬、二人が反応を示して手を伸ばしてくれたが、
運転手の中国語によって二人は手を引っ込めた。
あたしより突然現れた男の命令をきいちゃうボディガードは失格!
なんでこんな人達を雇ってるのよ!聖は!
「コイツ運転手じゃないよ!怪しい人だよ!助けて!助けて、聖!!聖っ!!」
いるはずもない聖の名前を叫んだ声が、空しく響き渡った。
叫んで暴れるあたしをなだめるように、でも力強く車へ押しこむ。
そしてその瞬間、鼻と口を覆うようにハンカチを当てられ、急激な眠気が襲ってきた……。
……どうしよう!
あたし、殺されちゃうのかな!?
遠くなる意識の中でそんなことを思った。