君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
「ん……」
深い眠りから目を覚ますと、微かな風があたしの髪を撫でていった。
「何……ここ?外……?」
気持ち良い風と遠くから聞こえる車の音。
二つとも窓を通して感じるものではなくて、直接五感を通して伝わってくる。
うっすら目を開けて自分の場所を確認した。
「工事……現場?」
灰色の工事作業用防音カーテンに包まれた高い建物、
クレーンや、トラック、ブルドーザーなどの重機類。
……まぎれもなく、何かを建設している現場だ。
「何でこんなところに……!?」
もっと辺りを確認しようと身体を起こそうとした時、自分がうまく両腕を使えないことに気付いた。