狂愛ラバーズ
ふと視線に気付き、かれんちゃんの後ろに視線を移せばいたずらっ子のような笑みを浮かべた女性が人差し指を口に当て、ゆっくりと近付いて来た。





かれんちゃんは全く気付かない様子で、俺は緩む口元を隠す様にさりげなく手で覆う。





外見からしてかれんちゃんと同じ歳ぐらいの女性は真後ろに立ち、かれんちゃんの目を覆う。





「えっ!何!?」


「ふふっ、だーれでしょっ。」


「えぇっ!あれっ………瑠璃、ちゃん!?」





名前を当てられ、ゆっくりと手を外した女性は後ろからかれんちゃんを覗き込んだ。





瑠璃ちゃんって………さっき聞いた結婚してる子。





確かに、左手の薬指にはシルバーのキラリと光る指環が嵌めてある。





「うふっ、バレちゃった?」


「もう、ビックリしたよぉ……。」




2人で笑い合うのは大変微笑ましいんだが、瑠璃ちゃんと言う子も天然なのかも知れない……。





だーれでしょって………幼稚園の時に遊びでやったけど、久しぶりにそんな事する人見た。





「瑠璃っ!」





声のした方に3人で視線を移した。




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