爽やか王子と内気少女
「あっ…新垣さん!」
江角君が私に紙を渡した。
黄色いチラシのような紙には、
『夏休みの絵本読み聞かせ ボランティア募集中』
と書いてあった。
「市民図書館であったんです。新垣さんに良いなと思って…
読むのは絵本で、相手は子供達ですが……」
わ~何だか面白そう…
私の顔を見て、興味がわいたのがわかったのか、
「挑戦してみたらどうです?」
と押してくれた。
「うん!やってみたい!!」
私は紙をギュッと握りしめながら、江角君の顔を見上げた。