依存~愛しいキミの手~
「裕也!今日出勤なんだ!ラッキー」


向かいに座る裕也を見て、美香が嬉しそうに言った。


「美香ちゃんの友達で肌焼いてない子って珍しいね(笑)」


裕也がお絞りを三角に折ながら笑う。


「透き通るくらい白くてかわいいでしょ。今日ナンパしたんだ、へへっ」


美香が私の肩を抱いて言った。


「え!?今日知り合ったの!?」


私が頷くと、ちょうど圭介がビールを持って戻ってきた。


初めての場所で緊張してたから、圭介の顔を見たらなぜか安心感が心に広がった。


圭介が私の隣に座って足を組む。


私がタバコを持ってライターを手に取ろうとすると、圭介がライターを持った手を握った。


ドキッ


「ここでは、火は俺らホストがつけるの」


そう言いながらライターに火を灯す。


私がタバコをくわえるとそこに火をつけてくれた。


何か恥ずかしい…。


煙を吐き出しながら下を向いたら、圭介の指がオデコ当たり、ぐっと力を入れられて前を向いた。


「お前また下向く(笑)」


笑いながら言う圭介と顔を赤くした私を裕也が見る。

「圭介さんとも知り合いなんすか?」


そう言いながらグラスについだビールをコースターに置いてくれた。


「美香がナンパした後一緒に飯食ったんだ。な?」


圭介が笑いかけた。私服の時とはまた違う雰囲気で、笑いかけられるたびに心臓が高鳴る。
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