依存~愛しいキミの手~
それからしばらく美香とたわいない話で盛り上がっていた。


「あ、お疲れー」


美香が私の後ろに視線を向けた。


振り返ると、優と圭介がスーツ姿のままやって来た。


美香の隣に優、私の隣に圭介が座る。


圭介が机の上にある鏡に気づき手に取った。


「お前の?」


視線だけちらっとこっちを向けて言った。


「うん。……ぶっ」


私は美香の言っていたパンチの圭介を思い出し、吹き出してしまった。


「なんだよ!?」


「な、なんでもな…ぷっはははっ」


抑えきれずに笑い出すと、圭介が私の首に腕を回して頭をグリグリとしてきた。

ファミレスでご飯を食べ終わり、タクシーに乗る。


しばらく走りタクシーが止まった。


「うちここのマンションなんだ。降りるよ」


美香が半分寝かけていた私に声をかける。


一回タクシーから降り、羽織っていた上着を脱いで助手席に座る圭介に渡した。

「ありがとう。おかげですごくあったかかった」


圭介は私の頭をくしゃくしゃっとなでて


「またな」


と、えくぼを作って笑った。
< 55 / 441 >

この作品をシェア

pagetop