ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
或る心象風景 Ⅱ





――騙された。




嘘だったのだ。


初めから…

全て虚構だったのだ。



絶叫するまま身体を刻まれ

意識あるまま頭蓋を抉(えぐ)られ

激痛に堕ちた世界から覚醒した時、


目にしたそれは――

私の身体じゃなかった。



何て悍(おぞま)しい体!


私は一体――


"何"になってしまった?



――ゲームオーバーだよ。



あの男を赦(ゆる)さない。



――ERRORに堕とすのは簡単だ。  

 

この忌まわしい血を呪詛に


この永遠の体をもって――

大いなる報いを与えよう。


殺戮の薔薇を散らせよう。



黒き断章(フラグメント)は――

全てを無に返すだろう。




真紅の薔薇で復讐を。



制裁者(アリス)は――


――…私なのだ。




……ああ何だか、酷く眠い。



ひとまず、此処は眠ろうか。


そして目覚めた時、私は……――――――――――――――――――――――――……



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