赤い愉楽
複雑怪奇な電線が街の空を覆い
人目に付くことのみに特化した看板群。


そしてどこからともなく漂ってくる
食べ物の腐ったにおい。


スプレーでこれでもかというぐらい
落書きをされた金属製のゴミ箱の上にカラスがとまっている。



怜奈はそんな街にある雑居ビルを仰ぎ見た。


「トパーズ…」


看板の文字を確認した怜奈は
雑居ビルの狭い階段を上がっていく。
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