赤い愉楽
先ほどの身体の震えは
どこかへ消え去っている。





「クドーを見つけて


私がクドーを殺そうとしても
止めないで頂けます?」






奥田は黙ったまま何も言わない。



テーブルにはやっと並んだ前菜が
手もつけられず残っていた。


2人の間にある炎は
何事もなかったように

揺らぎ続けている。
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