濡れた体温ごと奪って
「…ん……」
紗耶は頭を撫でていた俺の手を取り寝たままほお擦りをする。
おいおい。
誘ってんのか?
いくら寝てるとは言えど…無防備にも程があんだろが。
お前は昔っから人一倍甘えっ子だったからな。
今も変わってねぇんだな。
女らしい小さい手の癖して俺の手を握る力は強くて…離そうとしない。
そんなお前を見て、愛おしい感情が込み上げる。
「…らしくねぇな」
寝ている紗耶のシーツに入り紗耶の体を抱き寄せ目を閉じる。
これぐらい、許せ。