濡れた体温ごと奪って


―――ガチャ―――




夜の11時。


翔ちゃんが帰って来た。


いつもと変わらない光景なのに自然と私の心拍数が上昇して行く。




「ただいま」


「おかえり。飲み会はどうだった?楽しかった?」


「まぁな。お前は夜、何食べたんだ?」


「私は…食べてないよ。お腹空いてなくて」


「そうか」




どうしよう。


…いつ言おうかな。


やっぱり、ベッドに入ってからの方がいいよね…。



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