濡れた体温ごと奪って


バイト帰りの疲れが一気にどこかへ飛んでった程の衝動に駆られる。


私は二人の腕へと視線を向ければ、仲良さそうに腕組みをしてる。


この前私が擦れ違ったのと…違う女の人…。




「…遅い帰りだな」


「…う、うん…今日はちょっと残業頼まれちゃって…」


「翔矢?知り合い?」




まともに翔ちゃんの顔を見る事が出来ず思わず二人に背を向けてしまった。


隣りで腕を組んでる女の人は、甘えた様なゆっくりとした口調で翔ちゃんへと問い掛ける。


翔ちゃんなんて答えるのかな。



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