AVENTURE -君の名前を教えて-
「まだ、起きてるか?」

後ろから抱きしめた腕で、自分の方に私を抱きよせながらアヤが聞いてきた。

「…うん、起きてる」

とにかく、今日はゆっくり休みなさいと言われて、私とアヤは、トランの来客用ベッドを借りて一緒に寝ることになった。

「今日は本当に、わるかった」

アヤに言われて、私はううん、と小さく首を横に振った。

「正直、自信ないんだ」

暫くの沈黙ののち、私は小さくぽつりとつぶやいた。

「アヤのこと、多分好き。だけど、出会ってまだ間もないし、それに、アヤのこと、なんにも知らない」

そう言うと、アヤは突然、ぐいっと私を仰向けにして、上からじっと私を見つめた。

「これからじっくり、時間をかけて知ればいい」

「でも…」

相手は王子様。
そんなこと、できるはずがない。

「だが、俺はお前を手放す気はさらさらないからな?」

「え…」

そういうと、そっと唇を重ねてきた。

「今はまだ、ここまでで我慢してやる。だが俺は、お前以外のやつと付き合う気も、まして結婚する気なんてないからな」

そういうと、ぎゅっと抱きしめてきた。
私もそっと、アヤを抱きしめ返した。



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