AVENTURE -君の名前を教えて-
「明日の飛行機で、私、日本に帰るんだ」

その言葉に、アヤは小さく頷いた。

「今日まで、本当にありがとう。とっても楽しかっ…」

アヤが口をふさぐ。


…ずるいよ。


優しいキス。
そんな風にされたら、何も言えなくなる。

「まだ、日本に帰る時間じゃない。それに言っただろう。お前は俺のものなのだと。忘れたか?」

アヤの言葉に、涙がこぼれた。

「日本に戻ったとしても、俺のことを忘れさせたりしない」

そう言うとアヤは私をそのままベッドへと押し倒した。
手に持っていたお酒がこぼれて、腕の辺りが濡れる。

「いいか、誰がなんと言おうと。お前は俺のもので、俺は、お前のもんだ」

そう言って、私を優しく、抱きしめた。

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