AVENTURE -君の名前を教えて-
窓の外をそっと眺めながら、私は息を吐く。


これで、良かったのかも。


王子様とのロマンスなんて、体験できただけでもすごいことだもん。
何より、プレゼントまでもらったんだから。


全ては夢。
甘い、ちょっと切ない、夢。


「ありがとう、アヤ…」

まだ少し、彼の感触が残った唇にそっと触れる。
溢れそうになる涙をぐっとこらえてそう呟き、私はまた、目を閉じた。

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