AVENTURE -君の名前を教えて-
「あ、ごめん。全部飲んじゃった…」

思わずカラになったコップを見つめて呟く。

「あぁ、昨日あれだけ飲めば水分が欲しくなって当然だろう」

アヤに言われて私は苦笑いを浮かべた。

「…そんなに飲んだ?」

頭はズキズキするが、そこまで自分が今酒臭いようには感じなかった。

「うーん、日本語でなんて言うんだっけ?ほら、あの…」

アヤが唸る。

「もしかして…ざる?」

言うと、アヤはぱちんと指を鳴らして私を見る。

「そう、それそれ!」

「いや、そんなことないし」

顔を引きつらせながら答えると、アヤは笑いながら私の肩をぽんぽんと叩いてきた。

「遠慮するなよ。お前はすごい。勇者だ」


どんなだよ。


笑いながらそう言ってくるアヤに対して、何かを返す元気もなく、首をコキコキと鳴らした。

「…とりあえず、シャワー浴びるか?ひどい顔してるぞ」

アヤに言われて私はそうだね、と呟く。

「…確かにさっぱりしたいかも。借りていい?」

聞くとアヤは頷き、バスタオルを渡してくれた。



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