流華の楔

地獄の朝




次の日――芹沢が所持していた有り金すべてを使い切るまで飲み明かした各々は、俗に言う二日酔いに苦しめられることとなった。



「み、水……ください…」

「はい、斎藤さん」


「うー…どーも…」



斎藤は水を受け取り、それをものの数秒で飲み干した。

いつもの姿勢は何処へやら、支えねば倒れるのではないかと思うくらいふらふらしている。


まあ、昨夜の飲みっぷりを考えれば当然だろうか。




「(あれが笑い上戸というものか…初めて見たな)」


どうも、斎藤自身は覚えていないらしいのだ。

「本人には黙っておいてくれ」と近藤に頼まれるくらい、凄かったのだが…。



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