流華の楔




その報告が届いたのは、早くも翌日。


新見錦、士道不覚悟により切腹す。



「善は急げということか…」



新見はいつも芹沢のことを気にかけ、彼を心底尊敬していた。
それは容保を仰ぐ己も同じで、いわば同類だ。



「泣きてぇなら泣けよ」

「は? …泣きませんよ。そもそも私が泣く理由がない」



ここで心を乱してはならない。

新見は、それを望まない。



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