美しい花−先生と秘密な関係−【上】
「水割りで宜しいですか?」


「ああ、頼む」






お客様のグラスを取り、アイスを入れ、水割りをつくる。



自分でも驚くほどの手際のよさだ。


あたしの年でこれほどまでに手際よくお酒をつくれる人はいるだろうか?





「お名前をお聞きしても?」


「安西だ」


「安西様ですね」





安西様は若そうなのに、クールで紳士的な雰囲気を匂わす人だった。




スタイルには珍しいタイプのお客様だ。

自分のお世話になっている店を悪くは言いたくないけど、スタイルは二流のお店。


だから、未成年のあたしでも年齢を誤魔化して働けている。




< 2 / 411 >

この作品をシェア

pagetop