愛しいわがまま。



遅刻なんて何度もあった。

あ、デートの途中で帰ったこともあったかも。



でも理由を聞けばいつも
下手くそな嘘で隠すから



気づかないふりはもう慣れたよ




本当は、嘘なんてつけない遥が無理してる理由も知ってるの。




幼なじみのあの子。

小さい頃からずっと一緒の女の子。


浮気ではない。下心はきっとない。


でも優しい遥はほっておけないから

あの子から連絡がこれば駆け付ける。


その度に遥は、私を傷つけないために嘘をつく。



遥が嘘をつくたびに
私は嘘がうまくなる。


笑顔を作ることなんて、もう無意識にできちゃうよ



< 10 / 92 >

この作品をシェア

pagetop