愛しいわがまま。

―――――――――

―――――……



「ここでいーよ」


私は家の近くの公園で立ち止まった。



「そうなの?」

「うん。ありがとー」


遊輝は特に話を聞き出すわけでもなく
本当にただ一緒に帰ってくれた。


それだけなのに、さっきまでのイライラやモヤモヤが少し和らいだ気がするから不思議だ。



「どーいたしまして。
お礼はちゅーでいーよ♪」

「ほんとー?」


「……え、」

"してくれんの?"というように。
遊輝は目を見開いて私を見る。



「…ってするわけないっしょ。

じゃー、おやすみ
いろいろお世話になりました」


「ですよねー、

うん。おやすみ♪」




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