猛獣に射抜かれる様な愛


「随分と冷静な貴方を見ていると何か腹立つんだけど」


「お前もな。まぁさっきのお前は正気を失いかけてたがな」


「……放っておいて」


「お前が復讐した所で家族が戻って来る訳じゃない」


「わかってるよ、そんな事」


「なら復讐等馬鹿げた事を金輪際考えるな」


「それはわからない。約束出来ない」


「お前はガキか」


「ガキで結構。そんなにチームの名が怪我されたくないのなら、私をクビにすれば良い。いつでも受けて立つから」




結菜は言う事だけ言えば半ば呆れる矢斗を後目に車へ乗り込み刑務所を後にした。



< 105 / 333 >

この作品をシェア

pagetop