ヴァンパイアの花嫁 番外編③
レオンが地下牢へ行くと、娘は苦しそうに身体を曲げて咳をしていた。



「どうやら、肺の病気のようです」



ダーモッドがこの娘に関して仕入れてきた情報だ。



「肺病……」



ひどいとかなり苦しく、死んでもいいと思ってしまうくらいになる病気だと聞いていた。



娘の意識は混濁しているようだった。



レオンは仕方なく牢屋の中へ入ると、娘をうつ伏せにしドレスのジッパーを下に下げる。



娘の白い背中が露わになる。



レオンは手のひらを背に置くと力を送った。



しだいに呼吸が楽になっていき娘は眠りに落ちた。



「厄介だな……」



レオンはポツリ呟いた。



「アメリア、娘を元の部屋に」



地下牢は環境が悪い。


この娘の病気を増長させてしまうだろう。


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