エリートな彼に甘く奪われました
俺は一旦デスクを離れて部屋を出るとフロアの中心にある休憩所でカップコーヒーを買い側の椅子に腰掛けた。

冷静になってもう一度考える。

あの瞬間から、彼女の大きな深い吸い込まれる様な瞳が、…いや、彼女の事が、俺の見た彼女の全てが忘れられない。

「まいったな…」

コーヒーを一口飲んで誤魔化す様に呟いてみるが、これは、……認めざるを得ない、と諦めた。

…好きになってしまった…のか?

あの一瞬の間に。

こんな事があるのだろうか。


一目惚れと言えば分かりやすいけれど、……いや、これはそんな感覚じゃない。


俺は呆気なく吸い込まれたのだ。

あの黒くて深い大きな瞳に。
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