エリートな彼に甘く奪われました
「え、何言ってるの?」

「自分の部屋に帰った方が良かったみたいだね。
出張はまだ、終わってないんだ。
時間が空いたから…。
明後日にはまた戻るよ」

大きな瞳がくるくると動いてる。

あ、安東さんの車から降りるのを見ていたのね。

「あ、あのね、違うのよ?兄の誕生日で…それで…」

「海で、いい感じだったよ。
それが、愛の出した答えなら、俺はいいから…」

「……!」

どうして、どうして海にいた事知ってるの?

その時、黄色い高速バスの姿が脳裏に浮かんだ。

「遼、聞いて…」

「会えて良かった。
俺、帰るから」

彼がスーツケースの取っ手を伸ばして手を掛けた。




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